ワークショップ

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ワークショップでは、本学会会長、歴代の理事長をはじめ、遊戯療法の豊かな臨床経験をもつ先生方から、遊戯療法の実際について学びます。内容は、遊戯療法の土台となる「プレイの意味とプレイフルであること」、「枠」、「相互受容と相互共感」「セラピストの関係性の深まりによる無意識との出会い」等を扱ったものから、技法や学派による観点を主軸とした「遊戯療法におけるコラージュ療法」、「P C I T(親子相互交流療法)」「ユング派心理療法における『遊び』」、また、今を生きる子どものセラピストへの「スーパーヴィジョン事例」と多岐にわたります。

参加者の皆さまが、ワークショップで、あたまとからだ、そしてこころを使っていくことで、改めて、自らの日々の臨床を振り返る機会になれば、また、本大会のテーマである「遊戯療法はなぜ効くのか」に思いを巡らせていただく機会になればと思っております。多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

日本遊戯療法学会第27回大会 大会長  横山 知行

7月17日(日)には、新潟大学 教育学部(五十嵐キャンパス)にて、ワークショップを開催いたします。詳細は下記項目をご確認ください。また、ワークショップのご案内をPDFでもダウンロードしご覧いただけます。

第27回大会ワークショップ案内_PDF   第27回大会ワークショップ案内_PDF

 

Ⅰ 日時と受付 

7月17日(日)9:30〜12:00 (現地受付 9:30〜 オンライン受付 8:45〜9:15)

 

Ⅱ 会 場 

新潟大学 教育学部 (五十嵐キャンパス)
場所:〒950-2181 新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050  Google MAP

五十嵐キャンパスへのアクセス

新潟交通バス 時刻表

新潟空港 →(①約25分)→JR新潟駅 → (②約45分)→新大西門 →(徒歩1分) 新潟大学 五十嵐キャンパス
にいがたバス乗り換え案内
①区間の時刻表
②区間の時刻表

新潟交通バス 乗り場と路線

新潟駅万代口バスターミナルのりば5番線よりW2西小針線(「新潟大学」行 または 西小針・新潟大学経由「内野営業所」行)乗車→「新大西門」(約45分)下車後、徒歩約1分)

*新潟大学前駅から新潟大学前までの案内はありませんので,新潟大学 五十嵐キャンパスに初めてお越しになる方は、新潟駅よりバスの利用をおすすめします。

 

Ⅲ 講師ならびに内容紹介 

WORKSHOP A

 

テーマ『ごく最近のSV事例から:14歳男子・不登校』
講師:山中康裕 (京都ヘルメス研究所/京都大学名誉教授)

昨年度までは、私自身のこれまでの実践事例を熱く述べてきていたが、今や、21世紀も第2相に入り、時代は大きく変わって、子どもたちの用いる言葉も「あっざーす。“キル集”つくった。」など、それらのみでは、ちんぷんかんぷんで大幅に違ってきている。よって、今回は、ごく最近のSV事例をもとに話すことに決めたのである。まさに、今を生きるクライエントの、遊びの実態に肉薄し、そこから、今に生きる子どもたちの悩みや困りごとを実感し、これからの遊戯療法を考えていこう、という寸法だ。アニメや漫画も、「進撃の巨人」「東京喰種グール」「スプラトゥーン」等、当然ながら、TVやゲーム、YouTubeなどで現在進行形で展開しているモノそのものに迫って話していく所存である。当日、是非、ご自身の事例を持ち寄って戴きたいと思います。

WORKSHOP B

 

テーマ『治療的遊戯療法の実際』
講師:安島智子 (このはな児童学研究所)

言葉では言いあらわすことができない人間の困難を遊戯療法では扱うことができるという醍醐味を遊戯療法をされている皆様は体験しておられることでしょう。なぜ、遊戯療法は心身の困難に対して治療的効果をもたらすのでしょうか?遊戯療法について、主訴、症状の意味、遊戯療諸技法をいかに選択し用いるか、プレイの意味、プレイフルであることについて共に考えてみたいと思います。
夜尿をかかえる心身症、暴力的に主張する境界例、言葉の困難な発達障害の3レベルの自験例から治療的遊戯療法の実際についてご紹介すると共に、「こんなことができた」などフロアからも積極的にご発言いただき、議論を深めあいたいと思います。

WORKSHOP C

 

テーマ:遊戯療法:無意識に開かれた場
講師:伊藤良子 (京都大学名誉教授)

遊戯療法は、様々な遊具があり、自由に遊ぶことができる、セラピストによって守られた場で行われます。このような場においては、子ども達に無意識に開かれたイメージ表現が生じます。
本ワークショップでは、筆者が体験した自閉スペクトラム状態の幼児・緘黙の小学生・不登校の中学生等多様な状態の3事例を提示し、セラピストとの関係性の深まりによる無意識との出会いについて、特に重要な遊戯療法の初期段階に焦点を当ててご一緒に考えたいと思っております。

WORKSHOP D

 

テーマ:枠を守ることと枠を超えること
講師:弘中正美 (山王教育研究所)

プレイセラピーにおいて、治療の枠を守ることの重要性は誰もが認識しているが、同時に、枠を超える事態がしばしば体験される。子どもの遊びを媒介するがゆえの現象とも言えるが、それだけでなく、枠をめぐる子どもとセラピストの真剣勝負には、治療上の危機とともに可能性も伴われることが少なくない。枠を超えることがどのような意味を持つのか、単なるルール違反や失敗の視点からではなく、その必然性や創造性について考えてみたい。

WSでは、私の自験例を提示するだけでなく、受講者から『枠が崩されてしまったが、かえって治療を展開させる事態が生じた』例を出してもらいたい。1セッションのみの紹介でもよいので、枠をめぐるテーマを共有し、検討できればと思っている。事例紹介の用意のある方は、事前に大会事務局を通じてその旨私に伝えて頂きたい。

*事例紹介をご希望の方は、お申し込みと同時に大会事務局にメールにてご連絡ください。
大会事務局email:playtherapy27th@gmail.com

WORKSHOP E

 

テーマ:遊戯療法におけるコラージュ療法 ー治癒機転を考える―
講師:森谷寛之 (京都コラージュ療法研究所・京都文教大学名誉教授)

大会テーマ「治癒機転を探る」には,河合(1969『箱庭療法入門』)が参考になる。「遊戯療法の記録を丹念にとり,それを全体として見て人格変化の過程を探求することは,なかなか困難」「箱庭には集約的にクライエントの内的な問題が表現され,…箱庭の作品の流れを(スライドにして)見て行く方が,遊びの過程を見るよりもはるかに意味が分かりやすい。」

夢,箱庭,コラージュ,絵画などのように治療過程全体に繰り返し適用でき,作品がそのまま資料として残り,多くの人と共に視覚的に何度も繰り返し,比較検証できる方法は貴重で,科学的な<エビデンス>そのものである。これらは遊戯療法とも相性がよい。 藤山・笠井編(2020)『こころを使うということ―今求められる心理職のアイデンティティ』において,精神科医からみてコラージュ療法が認知行動療法と共に心理職が身につけるべき技法として選ばれている。

コラージュ制作実習を行う。
<参考文献>
・森谷寛之 2012 コラージュ療法実践の手引き 金剛出版
・森谷寛之 2018 臨床心理学への招待―無意識の理解から心の健康へ― サイエンス社
<実習準備品>
切り抜いてもよい数冊の雑誌,台紙(四つ切り,B4判),糊とはさみ
*対面参加の場合、台紙は事務局で準備いたします。雑誌・糊・はさみをご持参ください。オンライン参加の場合には台紙を含め各自で材料をご準備ください。

WORKSHOP F

 

テーマ:PCIT(親子相互交流療法)はなぜ効くのか ~PCITの根幹をなす遊戯療法~
講師:國吉知子 (神戸女学院大学)

親子相互交流療法(PCIT)とは、暴力や癇癪など問題行動のある幼児とその養育者を対象とする親子同室の「遊戯療法に基づく行動療法」です。PCITのスキルは理解しやすく、一般の治療者が遊戯療法や親面接にも活かすことが可能です。PCITでセラピストは、子どもへの受容・見まもりや適切な制限の仕方など、遊戯療法的な関わり方を養育者が修得することを目標として行動療法的なコーチングを行いますが、わずか半年程度のセッションで親の言動は大きく変化し、子どもの情緒も安定することで問題行動が徐々に消失します。PCITが効果を示すには行動療法的要素のみならず、治療の器としての遊戯療法的要素が不可欠です。

本講座では、PCITにおける遊戯療法的視点の重要性について、PCITの基本構造やスキルと合わせて解説します。

WORKSHOP G

 

テーマ:相互受容、相互共感の関係の中での遊戯療法
講師:森田喜治(龍谷大学)

セラピストは子どもとの“遊び”の中で様々な体験をする。遊びを通した関係の中でセラピストの中で起こる感覚は、その子どもとかかわっているがゆえに起こる真実であり、それは他者には理解しえないこともある。セラピスト自身の中で起こる感覚に疑いを持ち無視するのではなく、その感覚を真摯に受け取り、関わる自己と子どもとの“間”にある独特のイメージを分析することで子どもの心の叫びを理解していくことができる。
プレイルームの守られた空間の中でお互いに“遊び”を通してコミュニケーションし、そのつながりの中で、子どもは癒されていく。この肯定的な関係が一人の子どもと一人のセラピストとの間で相互に受け入れられ、相互に理解されることで進行していく過程であるととらえることができる。
本ワークショップでは、“遊び”の基本理念を通して、その意味を理解し、セラピストとの相互の心のコミュニケーションをひも解いていくことにする。

WORKSHOP H

 

テーマ:ユング派心理療法における「遊び」
講師:田熊友紀子 (代官山心理・分析オフィス)

「遊び」とは何か?「遊び」はこころに何をもたらすのか?について、主にユング派の立場から考えます。ユングは、神話における童子神のモチーフから人間のこころの深い層にある「子ども元型」を見出し、その意味や働きについて言及しました。そこからユング派では、心の中の子どもイメージの成長や自己治療力が、子どものみならず、大人を対象とした心理療法においても重要なイメージとなっていて、治療関係の中での「遊び」の創出は大人の心理療法においても重要だと考えます。心理療法の空間の中で生じる「遊び」がこころの変容にどのように関与するのか、講師が経験した事例を紹介しながら、心理療法における「遊び」の重要性について考えてみたいと思います。

Ⅳ 受講資格

ワークショップは非会員の方 (日本遊戯療法会学会員以外の守秘義務を有する専門職の方、臨床心理学を学ぶ大学院生)も会員に加えて参加可能です。

Ⅴ ワークショップ参加の申し込み方法

大会ホームページより希望のコースを指定し、お申し込みください。申し込み締め切りは、2022年6月17日(金)となります。6月18日(土)以降にお申込みをさ れた方は当日受付扱いとなります。

ワークショップ参加費は、お申し込みの際にご案内する振込先に大会参加費などと合わせてお振込みください。振り込み期限は、2022年6月24日(金) です。6月25日(土)以降のお申し込みについては、当日参加費を大会当日総合受付にてお支払いただきます。

対面開催のみ当日参加を受け付けます。オンライン参加は、2022年6月17日 (金)までにお申し込みをお願いします。

オンライン配信にはZoomを使用します。オンライン参加をされる場合には事前にZoomによる受講方法のご確認をお願いします。また、当日は開講15分(9:15)までに入室をお願いいたします。

Ⅵ ワークショップ受講料

予約参加料金

会 員 4000円 (当日5000円)
会 員(大学院生) 3000円 (当日4000円)
非会員 5000円 (当日6000円)
非会員  (大学院生) 4000円 (当日5000円)

 

Ⅶ 受講通知

お申し込みいただいたコースを受講いただけます。受講通知は致しませんのでご承知おきください。

 

Ⅷ 当日参加について

定員に余裕があるコースのみ、当日参加を受け付けます。

Ⅸ.その他

日本臨床心理士資格認定協会の研修ポイントについては「臨床心理士教育・研修規定別項」第2条第3項「本協会が認める関連学会での諸活動への参加」に基づき、特別講演、公開シンポジウム、ワークショップ、いずれか2つの参加をもって2ポイントが付与されます。参加証は研修証明書の代わりとなりますので大切に保管してください。オンライン参加の場合のポイント付与に関しては、2022年度の日本臨床心理士資格認定協会の方針を踏まえ決定する予定ですのでご了承ください。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況によっては開催方式を変更したり、中止したりする場合があります。
あらかじめご了承ください。
 

お問い合わせ・連絡先

日本遊戯療法学会 第27回大会準備委員会 事務局

〒950-2181 新潟市西区五十嵐2の町8050 新潟大学 教育学部 横山研究室内

E-mail: playtherapy27th@gmail.com

※お問い合わせはメールまたはホームページ上のお問い合わせフォームよりお願いいたします。