ご挨拶

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ご挨拶

ご挨拶

                       日本遊戯療法学会 第27回大会 大会長  横山 知行

 新春の候、みなさまにはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて2022年日本遊戯療法学会第27回大会を7月16日(土)、17日(日)の2日間、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館および新潟大学で開催させていただくことになりました。前回、増澤菜生大会長のもと、新潟市でこの大会が行われたのが2007年7月ですから、ちょうど15年前にあたります。

この期間、心理臨床の世界ではさまざまな出来事がありました。大きな一つのターニングポイントは、前回大会の数日後河合隼雄先生が逝去されたことでした。河合先生は、哲学者中村雄二郎氏が提唱した「臨床の知」という概念を援用しつつ、「生身の人間を相手にして、現実に生きる問題を共に考えてゆく」心理臨床の在り方を示すパラダイムとして、この重要性を説き続けておられました。その成果をさらに実りあるものにしていこうとされている最中、河合先生は旅立たれてしまいました。

それから、米国発の世界的な不況があって、東日本大震災があって、そうした中、2回の政権交代の後、わが国はじめての心理職の国家資格が創設されました。しかし、ともすれば、そのパラダイムは「臨床の知」ではなく、「選択と集中」や「自己責任」という時代の空気を反映したものになっていく兆しを感じます。この時代の空気はコロナ禍で、さらに濃度を増しているように思われます。そして、これは遊戯療法家にとっても決して無縁なものではないと思うのです。

こうした中で、本大会では、まず初日には、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館能楽堂にて本学会会長山中康裕先生に、特別講演「遊戯療法の過去・現在・未来」として、遊戯療法の来し方・行く末を存分にお話しいただきます。午後からの公開シンポジウムでは、「遊戯療法はなぜ効くのかーその治癒機転を探る-」というテーマのもと、議論を深めていきます。2日目には、会場を新潟大学五十嵐キャンパスに移して、午前中には、8名の講師の先生方によるワークショップを開催し、午後は研究発表の時間にあてております。

みなさまご存じのとおり、新潟は海の幸にも山の幸にも恵まれ、そして、なによりもお米とお酒が美味しいところです。ぜひ、皆さまに新潟にお越しいただきたいところなのですが、報道によると、新年早々の新型コロナウイルスの新株が急増しているとのことで、対面のみの開催は難しいようです。現段階では、特別講演と公開シンポジウムは対面とZOOMのハイブリッドでの開催を、ワークショップも同じくハイブリッドでの開催を、また、研究発表は対面のみを予定しておりますが、感染拡大状況によっては、ハイブリッドはオンラインのみ、また研究発表は、昨年度同様発表者と指定討論者・司会とのやりとりをもって発表に変える可能性がある旨、予めご承知おきくださいませ。

それでは、第27回大会、多くの皆さまのご参加をお待ち申し上げます。